手漉き和紙と機械漉き和紙は何が違うのか
手漉き和紙と機械漉き和紙の違いは、「人が漉くか、機械でつくるか」だけではありません。紙の中で繊維がどのように並び、重なり、脱水や乾燥の過程でどの程度まで締められるかによって、紙質は大きく変わります。
The difference between handmade and machine-made washi is not simply whether the paper is made by hand or by machine. It lies in how fibres are arranged, layered, dewatered, and dried within the sheet.
【雁皮種子の発芽と移植】
To ensure the future of gampi paper, it is essential not only to preserve the paper-making techniques but also to preserve, cultivate, and regenerate the gampi plants—the raw material—in the mountains. In this article, I will document the procedures and experiences involved in actually raising gampi seedlings—from seed collection to overwintering storage, germination promotion, sowing, transplanting, permanent planting, root division, and cuttings. I believe it is necessary not only to rely on wild harvesting but also to grow seedlings from seed and return them to the mountains.雁皮紙を将来へつなぐためには、紙を漉く技術だけでなく、原料となる雁皮を山に残し、育て、更新していく仕事が欠かせません。本稿では、採種から越冬保存、発芽促進、播種、移植、定植、根分け、挿し木まで、実際に行っている雁皮苗づくりの手順と経験を記録します。山採りに頼るだけでなく、種子から苗を育てて山へ戻すことが必要のことと考えます
第2回 山に残る雁皮の記憶
雁皮」という名は知らなくても、「ひぼ」「ひよ」「紙の木」なら分かる――。讃岐山脈の山中には、雁皮を採取していた人々の記憶が残っていました。雁皮紙づくりを続けるうえで避けて通れない、原料確保について考えます。
阿波忌部氏と阿波和紙
阿波和紙の起源を阿波忌部氏に直接求めるのではなく、麁服・麻・祭祀・植物繊維加工という阿波に根づく文化の流れから、阿波和紙を理解するための背景をたどります。山崎忌部神社を入口に、麻・楮・雁皮へと続く植物繊維文化のつながりを考えます。
紙への道 : 紙以前
人類は、記憶を言葉や物語として伝える時代から、結縄、洞窟壁画、石、骨、粘土板、木簡、竹簡、パピルス、羊皮紙、樹皮布などを用いて、記録を身体の外へ残す工夫を重ねてきました。本稿では、紙が生まれる以前の記録媒体をたどりながら、紙が「記憶を形にする面」として成立していく長い道のりを紹介します。
阿波藍と和紙の技術と文化史
阿波藍と阿波和紙という二つの地域文化が出会って生まれた藍染和紙。本稿では、紺紙金泥経や色雁皮紙に見られる染紙文化から、阿波藍の歴史、藍染の原理、こんにゃく加工による和紙の補強技術までを整理し、藍染和紙を農業・発酵・染色・製紙が結びついた阿波独自の工芸として位置づける。
明治期の川田和紙との再会-グラスゴー訪問調査記
明治期に川田で漉かれた雁皮紙が、文物交換によってグラスゴーの博物館に伝わっていた。原田家に残る資料、『造紙説』、久米康生氏の著作を手がかりに現地を訪ね、ケルビングローブ美術館関連資料として保存される和紙を確認した訪問調査記。川田和紙を地域史だけでなく、近代日本の国際交流史の中に位置づけ直す試みである。
広重《阿波 鳴門の風波》復刻の記録
歌川広重《阿波 鳴門の風波》を阿波和紙で復刻するまでの道のりをたどる。原安三郎コレクションとの出会い、初摺で知ったキラの魅力、ぼかしの技法、そして紙が受け止める青の深さを通して、木版画という総合芸術の奥行きを見つめ直した記録。









